若いうちに読みたい太宰治 / 齋藤孝著

若いうちに読みたい太宰治 (ちくまプリマー新書)

若いうちに読みたい太宰治 (ちくまプリマー新書)

突然ですが、「太宰治」と聞いて何を思いますか?暗い?難しい?固い?自殺した人?大文学作家?「人間失格?」はたまた小畑健…?(笑)
どんなイメージかはそれぞれ違うにせよ、誰もが何らかのイメージを(あるいは作品を)思い浮かべられる辺り、やはり太宰はまだまだ国民的な人気作家なんだろうなあと思います。
さて、本書『若いうちに読みたい太宰治』は徹底的に「若い人」に読んでもらうことを目的として太宰の諸作品を語る本です。10代から20代にかけての年代ならではの悩みや挫折、人生への疑問に応えてくれる文学作品としての太宰治の読み方を紹介しています。
先ほど太宰についてのイメージは?と問いかけてみましたが、そこで「難しい」とか「つまらない」「暗い」と言った否定的なイメージを抱いた方にこそ読んでいただきたい文学ガイドブックだと思います。
…私事ですが、私が太宰治を集中して読んだのは大学を卒業してしまった後でした。学生時代の専攻がなまじ文学部だったこともあり、どうしても純粋に太宰の世界にのめり込むこと、小説として楽しむことができず、「ああ、この作品群はもっと早い内に読んでおけばよかった…」と後悔したことを覚えています。本書の中でも筆者による「太宰は十代、二十代でもっとも共感できる作家」と言う一文がありましたが、本当にそのとおりだと思います。みなさんは是非早いうちに太宰の洗礼を受けてみてくださいね(笑)。
(○ひら)
※この本は附属図書館 新着図書 の棚に展示中です。 →910.268 に移動しました。