言葉はすごい 『化物語(上)(下) 著・西尾維新』
- 作者: 西尾維新,VOFAN
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昔、こんなことがありました。
とある私の友人が、休日に小学生の妹と一緒に出かけていたそうなのですが、その光景を目撃され、学校で「お前はロリコンだ」などとからかわれていました。ところが、その友人は「ロリコン」という言葉の意味を知らなかったのです。からかわれているとはなんとなく知りながらも、よく分からない単語を友人は意味を良い方向に勝手に解釈しようとしてしまったのです(誰かに訊けば良かったんですけどね……)。
そして、「妹と一緒にいたこと」が原因であると見当をつけた友人は、ある答えにたどり着いてしまいました。
『ロリコン=家族思い』
相当アホですね。からかわれている時点でそんな立派な意味じゃないことは分かるだろうに……。
得心いったという顔で、友人は「そんなんじゃない」と否定していました。本人からしてみれば、「家族思いだな」と言われて照れくさかったのでしょう。気恥ずかしそうに俯きました。その直後、ふと何かに気付いたように顔を上げました。そして、あろうことか、顔をこちらに向けてきたのです。
「俺なんかより、あいつのほうがよっぽどロリコンだよ」
…………え゛っ?
標的を指し示す友人の指。その動きに合わせて集まる視線。
誤解だあああああぁぁぁぁ
僕の魂の叫びがみんなの心に届くことはありませんでした。そのときの視線の冷たさといったら、僕の心が一瞬にして凍りつくほどでした。友人はといえば自分が話題の中心ではなくなったことと、僕を褒めたつもりになっているのとで、満足そうな顔をしていました。あの時ほど強い殺意を抱いたことはありません。ほんと、言葉の勘違いって恨めしいものです。
最終的には、言葉の持つ力ってすごいですよねって言いたかったのだけなんですが、ずいぶんと無駄に長く、しかもよくわからないものなってしまいました。本当、すいません。
ちなみに、ご存知かと思いますが、ロリコンとはロリータコンプレックスの略で、幼い子どもに対しての並々ならぬ感情のことを指す言葉です。もとは、ウラジミール・ナボコフの『ロリータ』という作品が言葉の由来なのだそうですが、日本では良い意味で捉える人はあまりいないですよね。
さて長い駄文が続きましたが、本題です。今回は『化物語(上)(下) 著・西尾維新』の紹介です。
タイトルに「化物」とついていますが、戦々恐々のホラーというわけではなく、楽しい言葉の掛け合いをたくさん見られる小説です。物語や言葉遊びなんかももちろん面白いですが、個性的なキャラクターと主人公との掛け合いがすっごく楽しいです。言葉の使い方がなんとも秀逸です。有名な作品なので知っている方も多いのではないでしょうか。また、アニメ化されているので、興味のある方は映像で見るのもよいかと。
著者の西尾維新さん曰く「手遊びで書いた小説」だそうです。いやはや、これほどのものが手遊びとは……。すごいですね。
というわけで、『化物語(上)(下) 著・西尾維新』の紹介でした。ていうか、ほとんど自己満足の日記ですね……orz、失礼しました。
(とある畜大生)